リトルバスターズ!

サントラも出たので、終わらせた。ちらっと聞いたネタばれがその通りで、しかもそれ以上何もなかった。さすがにあれなのでネタバレフィールドを展開。

えいえんの世界とかループする世界とか、これまで一人の想いが世界を組み変えるお話だったけど、LBでは複数の人で共有する夢になっている。各ルートはそれぞれ理樹の想いの中で組みかえられていく世界だということが、唯湖ねーさんルートで明らかになっている。そうすると個別ルートはBADなんだよな。鈴ルートからTRUEへの流れとは完全に分断されているし。あとクドシナリオはああなる理由が全くないんだよな。
そんな備忘録はさておき。
子供の頃、世界が破滅する夢を毎日見ていた。破滅といっても具体的に街が壊滅的打撃を受けるてのじゃなく、秩序だった結晶化している世界が瞬時にぼやけ渦となり悲鳴のような音を立てながら溶けていく、そんなイメージが数秒ごとに切り替わりながら何度もループするというものだった。そのイメージは、丁度子供のときの部屋の壁の木目や、天井の穴の模様の配置とリンクしていて、寝るたびに自動的に想起させられていた。
少しだけ意識が戻る恭介のシーンを見ていて、そのことを思い出していた。子供のときには敵を明確に描くことができず、世界に対する理不尽さを深淵そのものとしてイメージしていた。だから可能性を"えいえんの世界"のような未知のものとして何となく感じていた。LBは、ギミックだけ見れば安直なんだけど、その枠の上でプリミティブな世界と自分とが向き合う感覚を描いている。シナリオの展開には色々破綻はあるかもしれないけど、少なくとも心理的な闇、プリミティブな悪意、その裏返しとして希求するものが綺麗に配置されている。その結果として、個としての跳躍とコミュニティからの要請という二つの意味で、退嬰性からの脱却がちゃんと描かれている。不満はないというと嘘になるけど、これはこれでいいんじゃなかろうか。充実感のあるTRUE ENDだし。
MVPはやっぱ小毬だな。おんどりゃー。あと、さいごのゆめの別れはずるすぎだ。もうくちゃくちゃずるい。シナリオでは美魚。アクロバットにいくつも捻りながら一つのテーマに収束していくさまが綺麗。