まだ読んでいない本のレビュー

忘れていた頃に、読みたかった続編に出会えたとき、こんなに嬉しいものはありませんよね。今日はそんな本を紹介します。

「守り人」三部作 / 上橋菜穂子 偕成社ワンダーランド
孤高の用心棒である女剣士バルサを、その周囲に繰り広げられるさまざまな事件とともに描いていくハイファンタジー。すべての登場人物を優しくしかも的確に描く語りが素晴らしすぎます。最初に読んだ時には、数ページおきにその素晴しさゆえにうるっときていたぐらい。その上、読者を飽きさせないストーリーテリングに、児童文学に新風を吹き込んだとさえ言われるリアルファイトの描写。実は「月はまどろみの果」における舞の造形において、少しだけ参考にしています。以下は個別のレビュー。

精霊の守り人

皇室の第2皇子チャグムは、父親である帝と得体のしれない幻獣の双方から命を狙われることになる。それを助けるバルサ。三すくみのかけひき、逃亡していく中で成長していくチャグム、少しずつ心を開いていくバルサ、そして少しずつ明かされていく幻獣の謎が、タペストリーのように物語に織り込まれ、最後まで引き込まれっぱなし。徹夜して読んだ記憶があります。

闇の守り人

生まれ故郷のカンバルに20数年ぶりに戻ってきたバルサは、自分の父が王族の権力争いの末に濡れ衣を着せられ死んでいったことを知る。恩讐の果てにバルサは闇の舞い手として亡霊の住む洞穴へと入っていく。クライマックスが超絶かっこよくて、「月まど」で参考にさせてもらっています(爆)

夢の守り人

今月発売された第三作。まだ読んでいません。どうやら<守り人>世界の総決算になる様子。楽しみです。