ToHeart2 XRATEDその2

姫百合姉妹エンドみた。ダイナミックインテリジェンスはソニーの商標に抵触してないのか心配だw
シナリオはかなりアクロバティック。というか90年代エロゲーのアンチテーゼになっている。すごい。基本骨格は主人公が閉じこもっているヒロインを外に連れ出すというもの。キモは姫百合姉妹がその90年代エロゲーの退嬰的な構図そのものになっている。一つのことしか取り柄がない不思議少女の珊瑚と、彼女のために全てを捨てた瑠璃。それを打破するのが、来栖川アンドロイドのイルファ。彼女が瑠璃に好かれようと、メイドロボのように傅く。それが瑠璃の映し鏡になっている。普通はアンドロイドにここまでハイコンテクストな役割を与えられない。それができるのはToHeart2だからであり、マルチがあったからだ。というわけでアンドロイドネタの一つの到達点になっておると思う。シナリオラストのイルファの台詞、

「心があるから痛みや喜びを知ることができるんじゃない。痛みや喜びを知って心が生まれるんですね」
「いくつもの出会いが心になる。もしかしたら、心はこの世界の表面を伝う、さざなみのようなもの。心は身体の中にあるのではなく、外にあるのかもしれませんね」

はとても美しい。サイエンスライターの森山和道氏がしばしば言っている、ユビキタスな存在であるロボット、あるいはWeb2.0な人のインテンションを集約してまわるネットワークそのものだと思う。個人的には、http://blogs.grf-design.com/archives/2006/08/web_20_by_tim_o_1.htmlで引用されている "History is a wave that moves through time slightly faster than we do."よりも美しいし力強い文章だと思う。